伝統資産「国債」もブロックチェーンで動く時代へ?三菱UFJが行った興味深い実証実験

1. 導入:金融業界の裏側で進んでいる変化について

先日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、日本国債の取引をブロックチェーン上で行う実証実験を始めた、との記事が発表されました。

「日本国債(JGB)レポ取引のオンチェーン化に係る実証実験開始について」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000356.000036656.html

ただ、「国債」「レポ取引」「ブロックチェーン」

この時点で、ちょっと読む気がなくなりますよね。

今回の話はかなり専門的で、金融のニュースを日々見ていても、自分には関係ないか、と読み飛ばしてしまいそうです。

ただ、中身を追ってみると、銀行の裏側で使われている仕組みが、少しずつ変わり始めているという、なかなか面白いニュースでした。

「また暗号資産系の話か?」と思われるかもしれません。

しかし今回は違います。

これは「日本最大手のメガバンク」が「国策(金融庁)」サポートのもと、金融の土台の裏側を新しく作り直そうとしているプロジェクトです。

2. 専門用語の解説:そもそも「レポ取引」とは?

今回ブロックチェーンを使うのは「レポ取引」と呼ばれるものです。

◆「レポ取引」とは?

ものすごく簡単に言えば、

国債を使って、金融機関同士で短期間のお金の貸し借りをする取引

です。

例えば、

「国債を一旦渡すので、今日100億円貸してください。明日返します」

というような取引です。

私たちが普段目にすることはありませんが、実はとんでもない金額が動いています。

日本銀行の統計では、2026年3月の現先取引の新規約定額は、資金運用サイドだけでも1日平均約63兆円

しかも、その約85%が翌日には返す短期取引です。

銀行の裏側では、毎日これだけのお金と国債が行き来しているわけです。

◆「オンチェーン化」とは?

毎日巨額のお金と国債が行き来しているわけですが、これをブロックチェーンで動かしてみる

今回MUFGが実験するのが、この取引の「オンチェーン化」の意味です。

難しく聞こえますが、イメージとしては、

国債とお金の受け渡しや、その後の管理をブロックチェーンと連動させて、もっと効率よくできないか?

という話です。

今回の実証では、既存の国債の権利管理を維持しながらブロックチェーンと連動させ、取引条件の確認や担保管理、時価評価などを自動化できるか検証します。

◆何が良くなるのか?

将来的にこうした仕組みが実用化されれば、金融機関にとっては事務負担の削減だけでなく、資金をより効率よく動かせる可能性があります。

土日祝日や夜を問わず「24時間365日」「即時(リアルタイム)」でお金と国債のやり取りができるようになると期待されています。

3. なぜ今、この動きに注目すべきなのか?

個人的に面白いと思ったのは

数年前までブロックチェーンというと、

「ビットコインに使われている技術」というイメージが強かったと思います。

ところが今、その技術を使って動かそうとしているのが日本国債です。

単なる「暗号資産の技術」ではなくなってきたということです。

海外でも、米国債を使ったレポ取引のオンチェーン化はすでに商用段階に入っています。

4. 国債の次は何がデジタル化されるのか?

今回のテーマは一見すると「メガバンクや大口投資家だけの話」に見えます。

しかし、伝統的かつ巨大な「国債」がオンチェーン化されるということは、今後、あらゆる「現実の資産」が、「RWA(real World Assets)」としてデジタル化され、ブロックチェーン上で扱いやすくなる時代がこれから訪れるかもしれません。

現に、不動産、株式、金など、資産をデジタル化して小口で投資できる商品も実用化され、日本国内でも徐々に広がっています。

そして、この流れが進めば、

不動産、社債、売掛債権、未上場株式など、今まで簡単には売買できなかった資産も、デジタル化されていく可能性があります。

そう考えると、今回のニュースも「大手銀行だけの話」とは言い切れません。

例えば10年後、会社が持っている不動産や売掛債権を使った資金調達が、今より簡単になっている可能性もあります。

銀行から融資を受けるのが当たり前だった企業金融の姿も、少しずつ変わっていくのかもしれません。

経営者として、自社の「資金調達」や「財務戦略」の選択肢を、時代に合わせて柔軟に対応できるように準備されることをお勧めします。

金融インフラの変化に上手く対応し、新しい財務戦略やビジネスを描く

もちろん、明日から何かが変わる話ではありません。

ただ、最も信用力の高い金融資産の一つである「国債」をブロックチェーンで動かそうとしている。ここは大きな変化だと思います。

ビットコインの価格ばかりが注目されがちなブロックチェーンですが、その裏側では、もっと地味で大きな変化が始まっています。

経営者としては細かい技術まで理解する必要はありません。

「金融の仕組みの裏側が変わり始めているらしい」

まずはそれくらいの距離感で、今後の動きを見ておくと面白いのではないでしょうか。

そして、こうした変化を、自社のためにぜひ上手く取り入れていただきたいと思います。

<しるし株式会社>

会社概要

社名しるし株式会社(SHIRUSHI Inc.)
設立2017年9月1日
代表取締役櫻田 学
資本金1,718万円
事業内容ブロックチェーンに関する製品開発およびコンサルティング、データセンター運営、サーバーの研究・開発・運用・販売事業
所在地本社:東京都立川市錦町2-3-3 オリンピック錦町ビル
富山支店(データセンター):富山県富山市内

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