現在、ビットコイン(BTC)は再び上昇局面にあります。
9月中旬には約7万4,000ドルだったBTC価格は、約15日間で8万4,000ドル付近まで上昇。約13.5%の上昇となりました。
価格だけを見ると、
「またBTCへの買いが強くなっている」
ようにも見えます。
しかし、少し詳しくデータを見ていくと、現在のBTC市場はそれほど単純ではありません。
BTC現物ETFには、約23.9億ドルが流入
まず注目したいのが、米国のビットコイン現物ETFです。
ETFとは、簡単にいえば、BTCを自分で直接保有しなくても、株式などと同じような形でBTCへの投資機会を得られる金融商品です。
Farside Investorsのデータによると、9月21日〜25日の5営業日で、米国のビットコイン現物ETFには合計約23億8,600万ドルが純流入しました。
内訳は、
・9月21日:9.99億ドル
・9月22日:7.147億ドル
・9月23日:3.469億ドル
・9月24日:1.907億ドル
・9月25日:1.345億ドル
となっています。(出典:Farside Investors)

5営業日連続で資金が流入しており、ETFを通じたBTCへの資金流入は非常に大きなものとなりました。
ところが、市場全体の「需要」は弱い
一方で、別のデータを見ると違った動きが見えてきます。
CoinPostが9月28日に報じたCryptoQuantのアナリストDarkfost氏の分析によると、過去30日間のBTC総需要推計はマイナス17.1万BTC。
内訳を見ると、先物市場の需要は16.4万BTCから約3,000BTCまで縮小し、現物需要についてもマイナス17.4万BTCとされています。
つまり現在は、
BTC価格は上がっている。
ETFにも大きなお金が入っている。
しかし、
市場全体で見ると、BTCへの需要が一斉に強くなっているわけではない。
という少し複雑な状態です。
「価格が上がっている=みんながBTCを買っている」とは、必ずしも言えないということです。

では、実際の利用はどうなっているのか?
ここでBTC価格から少し視点を広げて、暗号資産全体を見てみます。
Chainalysisが9月23日に公表した「2026 Global Crypto Adoption Index」では、興味深いデータが示されています。
2026年6月30日までの12カ月間で、暗号資産市場全体の時価総額は約50%、金額にして約2.1兆ドル縮小しました。
ところが、同期間のオンチェーン上の経済活動は、
9.5兆ドル → 9.4兆ドル
と、減少率はわずか1.6%でした。
つまり、
市場価格は大きく下落したのに、ブロックチェーン上で動いている経済活動はほとんど減らなかった
ということです。
さらに、100ドル未満の小口取引は78.4%増加、100〜1,000ドルの取引も58.6%増加しました。
暗号資産市場が厳しい環境にあった中でも、小口の利用者による活動はむしろ増えていました。
ステーブルコインの国際送金は77.5%増
特に伸びているのが、ステーブルコインです。
Chainalysisによると、国境を越えたステーブルコインの送金額は、
1,242億ドル → 2,203億ドル
へ増加。増加率は77.5%です。
さらに、国境を越えたステーブルコイン送金の平均額は約3,000ドル。
Chainalysisは、こうした規模の取引について、企業への支払い、家族への送金、資産の移動など、日常的な用途との関連を指摘しています。
つまり暗号資産は、「価格が上がるか下がるか」だけではなく、
実際にお金を送るための仕組みとして使われる場面も広がっている
ということです。
現在の市場から見えてくること
ここまでの数字を並べると、現在の暗号資産市場には大きく二つの動きがあるように見えます。
一つは、投資対象としてのBTC。
価格は上昇し、ETFにも大規模な資金が入っています。しかし、市場全体の需要を見ると、まだ全面的に回復しているとは言い切れません。
そしてもう一つが、実際に使われる金融インフラとしての暗号資産です。
市場価格が大きく下落した期間でも、オンチェーン上の経済活動はほとんど減らず、ステーブルコインを使った国際送金などはむしろ拡大しています。
ここは、これから暗号資産を見るうえで、とても重要なポイントだと思います。
暗号資産の可能性は「価格」だけではない
BTCがいくらになるのか。もちろん、それは多くの人が気になるところです。
ただ、暗号資産の可能性は、価格が上がることだけではありません。
送金、決済、資産管理、DeFi、ステーブルコイン、そして株式や実物資産のトークン化。
これまで別々だった金融の仕組みが、少しずつブロックチェーン上でつながり始めています。
現在のBTC市場だけを見ると、価格上昇の一方で需要指標には弱さも見えます。
しかし、もっと広い視点で暗号資産市場を見ると、価格とは別のところで利用が続き、新しい使われ方も広がっています。
「いくらになるのか」だけではなく、
「何に使われ始めているのか」も見る。
そこに、暗号資産市場のこれからの可能性があるのではないでしょうか。
参考・引用
CoinPost
「ビットコイン需要、17.1万BTCのマイナス 価格上昇と乖離=アナリスト」(2026年9月28日)
記事はこちら
Farside Investors
Bitcoin ETF Flow
データはこちら
Chainalysis
「2026 Global Crypto Adoption Index: World’s Crypto Economy Held Firm Through the Bear Market」(2026年9月23日)
レポートはこちら
<しるし株式会社>
しるし株式会社では、「ブロックチェーン技術の普及を通じて、困窮する家庭や企業をなくす」という企業ミッションを掲げています。
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会社概要
| 社名 | しるし株式会社(SHIRUSHI Inc.) |
|---|---|
| 設立 | 2017年9月1日 |
| 代表取締役 | 櫻田 学 |
| 資本金 | 1,718万円 |
| 事業内容 | ブロックチェーンに関する製品開発およびコンサルティング、データセンター運営、サーバーの研究・開発・運用・販売事業 |
| 所在地 | 本社:東京都立川市錦町2-3-3 オリンピック錦町ビル 富山支店(データセンター):富山県富山市内 |









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