シティはなぜ、ビットコインの12カ月目標を11.3万ドルに引き上げたのか?──ETF資金流入から読む3つの根拠

米金融大手のシティグループ(Citi)が、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の今後12カ月の価格目標を引き上げました。

Reutersの報道によると、新しい目標はBTCが11万3,000ドル(従来は8万2,000ドル)、ETHが3,028ドル(従来は2,240ドル)です。

この見通しは、どのような根拠に支えられているのでしょうか。

結論:シティは何を根拠に強気に転じたのか?

シティBTC予想のスライド

先に結論をお伝えします。

Citiの上方修正を支えている根拠は、大きく次の3つに整理できます。

①米国の現物BTC ETFに資金が戻ってきていること

②投資助言会社や証券会社がBTCへの配分を少しずつ増やすと見込まれること

③米国の規制を巡る動きが、市場の弱気心理を和らげたこと

Citi自身も、暗号資産取引の活発化やマクロ経済環境とあわせて、ETFへの資金流入の再開を理由に挙げています。

ただし、11万3,000ドルはCitiによる12カ月先の予測であり、その価格に到達することを保証するものではありません。

以下、それぞれの根拠をデータとあわせて見ていきます。

1.ETFへの資金は、本当に戻ってきているのか?

1つ目の根拠は、現物BTC ETFへの資金流入です。

The Blockによると、2026年9月の米国の現物BTC ETFへの純流入額は26.5億ドルでした。

2025年10月以降では、8月の35.2億ドルに次いで2番目に大きい月間流入額です。

週単位で見ても、Cointelegraphが伝えたSoSoValueのデータでは、9月25日までの1週間で約24億ドルが純流入しました。2025年10月以来、最大の週間流入額です。

2026年に入ってから、BTC ETFの累計フローは一時50億ドルを超える純流出となっていましたが、この流入によって年初来でプラスに戻りました。

価格の動きだけでなく、ETFを通じてどれだけ新しい資金が入っているかは、市場の需給を見るうえで重要な手がかりの一つです。

👉 前回の記事では、BTC価格とETF資金流入、市場全体の需要の違いについて詳しく解説しています。

もっとも、1カ月や1週間の流入が、そのまま長期的な流れになるとは限りません。翌月以降に流出へ転じる可能性もあります。

2.誰がBTCを買い増すと見込まれているのか?

2つ目の根拠は、今後の資金の出し手に関するものです。

Citiは、投資助言会社や証券会社が、BTCへの資産配分を徐々に増やしていくと見ています。

そのペースは急激なものではなく、緩やかながらも着実なものになる、という見立てです。

Citiはこれを踏まえ、今後12カ月で暗号資産関連商品に約50億ドルの資金が流入すると見込んでいます。

ここで注意したいのは、50億ドルはすでに流入した金額ではなく、Citiが示した今後1年間の予測値だという点です。

一方、足元の9月だけで現物BTC ETFに26.5億ドルが入っているのは、実際のデータです。

The Blockは、こうした流入について、Zeus Researchのアナリストによる「機関投資家の需要は衰えていない」との見方を紹介しています。

ただし、ETFを購入しているのは機関投資家だけではありません。個人投資家の資金も含まれるため、ETFへの流入=機関投資家の需要と言い切ることはできません。

既存の金融商品を通じたBTCへの需要を示す指標の一つ、と捉えるのが妥当でしょう。

3.規制を巡る動きは、市場心理をどう変えたのか?

3つ目の根拠は、米国の規制環境です。

米上院では、デジタル資産市場のルールづくりを目指す「クラリティー法案」を巡る動議が否決されました。

Citiの見立てでは、法案の否決は市場のルールづくりにとって後退である一方、その後にSEC(米証券取引委員会)が規則を相次いで示したことで、投資家の過度な悲観はやわらいだとされています。

CoinPostによると、BitwiseのCIO(最高投資責任者)マット・ホーガン氏は、否決後にBTCが8%、ETHが7%上昇したと指摘しています。

法律が成立するかどうかだけでなく、SECなど既存の規制当局がどのようなルールを示すのかも、市場が注目する材料になっています。

なお、この期間の値上がりがすべて規制を巡る動きによるものとは限りません。ETFへの資金流入やマクロ経済環境など、複数の要因が重なっている可能性があります。

まとめ:今後の注目点は何か?

CitiがBTCの目標を引き上げた背景には、ETFへの資金流入の回復、金融機関を通じた配分拡大への期待、規制を巡る心理の改善がありました。

このうちETFへの流入は、すでに数字として表れています。一方で、配分の拡大や50億ドルの流入は、あくまで今後の見通しです。

今後のBTC市場を考えるうえでは、価格の上下だけでなく、

現物ETFへの資金流入が続くのか

投資助言会社や証券会社を通じた配分が実際に増えるのか

米国の規制がどのように整備されていくのか

といった点を、あわせて見ておくことが大切になりそうです。

皆さんは、ETFへの資金流入は今後も続くと思いますか?

 

<しるし株式会社>

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