チャートの裏側を読む―ビットコイン「UTXO損益比率」から分析する投資家心理

ビットコインの価格が伸び悩む中、
「もう上昇トレンドは終わったのではないか」
「この下落は危険なのではないか」
と不安を感じる人も少なくないと思います。

本日は、表面的な価格チャートだけでなく、ブロックチェーン上の動きを示す、オンチェーンデータを切り口にした分析手法をご紹介します。

オンチェーンデータ分析企業「CryptoQuant」のアナリスト、Darkfost氏は6月28日、
ビットコインの「UTXO損益比率(P/L Count Ratio)」が、今回の調整局面に入って以降で初めて、過去の弱気相場の底値圏に匹敵する水準まで低下したと報告しました。
(※UTXO:Unspent Transaction Output≒未使用の残高)

ただ、一方で過去にこのシグナルが点灯した局面は、振り返ってみると、いずれも長期投資家にとって有利な「エントリー機会(仕込み期)」であったとも指摘しています。

 

CryptoQuantによるBTC UTXO Block P/L Count Ratioモデルのチャート(2015年〜2026年)

 

引用元:Darkfost氏の投稿

UTXO損益比率とは?

ビットコインのブロックチェーン上に記録されている「まだ使われていない残高(UTXO)」の取得時の価格と現在の価格を比較し、市場全体で「含み益が出ている残高」と「含み損を抱えている残高」がどのような比率になっているかを割り出した指標です。
これにより、投資家がどれだけ心理的に追い詰められているか(あきらめ売りの兆候など)をリアルに把握できます。

    • 利益UTXO > 損失UTXO
      ⇒市場全体が強気(ブル)相場で、投資家の多くが利益を出している状態
    • 損失UTXO > 利益UTXO
      市場全体が弱気(ベア)相場で、含み損を抱える投資家が多い状態

見解まとめ

Darkfost氏の分析によると、現在のビットコイン市場では利益確定よりも、損失を抱えたまま売却(損切り)する心理が強まっていることを示しています。

オンチェーン分析の専門家の間では、こうした投資家の「諦め売り(カピチュレーション)」のシグナルは、2019年や2022年など、過去のサイクルにおける底値圏付近でも確認されてきた重要な指標とされています。

一方で、現在のBTCはすでに機関投資家が深く参入しており、オンチェーンデータだけで将来を100%予測することはできないという見方もあります。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策(金利動向)や、現物ETFへの資金フロー、規制動向といった「マクロ経済要因」が、過去のオンチェーンのパターンを上書きする可能性にも常に留意する必要があります。

注目ポイント

  • UTXO損益比率の動向:ここから数値が安定(底打ち)するか、さらに低下するか
  • マクロ環境の動向:FRBの金利政策、ETFの資金流出入、暗号資産に関する規制の動き
  • 投資家の行動変化:短期保有者の「あきらめ売り」が一段落し、長期保有者による「蓄積(買い集め)」を本格化させるかどうか

考察

価格の動きは「何が起きたか(結果)」を示しますが、オンチェーンデータは「誰が、なぜ動いているか(背景)」を教えてくれます。

市場参加者の不安やノイズが高まる局面だからこそ、表面的な価格に惑わされず、こうしたデータが示唆する本質的な価値とマクロの動向を冷静に見極める姿勢が、長期的な資産形成において重要な鍵となるのではないでしょうか。

参考:Coinpost,CryptoQuant

会社概要

社名しるし株式会社(SHIRUSHI Inc.)
設立2017年9月1日
代表取締役櫻田 学
資本金1,718万円
事業内容ブロックチェーンに関する製品開発およびコンサルティング、データセンター運営、サーバーの研究・開発・運用・販売事業
所在地本社:東京都立川市錦町2-3-3 オリンピック錦町ビル
富山支店(データセンター):富山県富山市内

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