CoinDeskは、7月7日Visaのオンチェーン分析ダッシュボードの最新データをもとに、ステーブルコイン市場で大きな変化が起きていると報じました。
特に注目すべきなのは、銀行や金融機関が、決済・清算・資金管理のためのインフラとして活用し始めている点、
Circleが発行するステーブルコイン「USDC」が、2026年上半期の調整済み取引量において、Tetherの「USDT」を大きく上回った点です。
2026年1月に、羽田空港のショップで、USDCを使った日本初の決済の実証実験が行われたことも記憶に新しいです。
今回は、公開されているデータをもとに、ステーブルコイン市場で今どのような変化が起きているのかを客観的に整理してみたいと思います。

① 数字で見る市場の拡大
2026年6月のステーブルコイン調整済み取引高は、
ボット取引や取引所間送金などのノイズを除外した「調整済み取引高」ベースで過去最高となる1兆7,900億ドルに到達しました。
これは前月(5月:1兆1,000億ドル)から約63%増、前年同月(2025年6月:7,950億ドル)からは約125%増という急成長です。
この勢いのまま2026年上半期の調整済み取引総額は8兆8,200億ドルに到達しました。
すでに2024年通年(5兆8,000億ドル)を上回っており、過去最高である2025年通年の10兆8,000億ドルに迫る驚異的なペースを記録しています。
② 市場の数字から読み取れること
上記の市場の数字から読み取れるのは、ステーブルコインが単なる暗号資産取引のための道具ではなく、「送金インフラ」として使われ始めているということです。
これまでステーブルコインは、暗号資産取引所での売買や資金移動に使われるイメージが強くありました。
しかし現在は、銀行や金融機関が、決済・清算・資金管理のためのインフラとして活用し始めています。
「価格が安定していること」だけに価値があるのはではなく、企業間決済や海外送金など、既存の決済インフラに代わって浸透する可能性があります。
💡ポイント:ステーブルコインは「投資のための通貨」から、「実際の金融インフラの一部」へ徐々に役割を広げていると考えられます。
③ USDCとUSDTの勢力図
シェアの逆転
2026年上半期の調整済み取引量では、USDCが約70%、USDTが約25%を占めました。
2020年には、USDTが約90%を占め、USDCは10%未満でした。この数年で、ステーブルコイン市場の勢力図は大きく変わっています。
ただ、注目したいのは、「USDCが優れている」という単純な話ではなく、それを「誰が採用しているか」という点が重要と考えます。
今後は、金融機関が自社でゼロから新しい仕組みを作るよりも、より信頼できる既存ネットワークを採用すると考えられます。
背景にある金融機関との連携
背景には、Circleが規制対応や金融機関との連携を進めてきたことがあります。
記事では、スタンダードチャータード銀行やBNYが、独自のステーブルコイン基盤を一から構築するのではなく、USDCを中心としたサービスを追加している点も紹介されています。
これは、クラウドサービスが広がった時代に、自社でサーバーを持つ企業が減っていった流れとも似ています。
④ 今後の見通しとまとめ
今回のデータは、ステーブルコイン市場が新しい段階に入った可能性を示唆しています。
ステーブルコインは、暗号資産市場の中だけで使われるものではなく、国際送金、決済、清算、資金管理といった金融インフラの領域にも広がり始めています。
- ●国際送金・決済における利用拡大
- ●銀行・金融機関による清算・資金管理インフラとしての採用
- ●規制対応を適正に進める発行体への信頼の集中
特にUSDCの取引量拡大は、金融機関がステーブルコインをより実務的なインフラとして見始めていることを示す動きといえます。
編集後記
ステーブルコインを「価格が安定した暗号資産」として見るだけでなく、その枠を超え、
金融システムを効率化する新しい決済インフラとして捉える視点が、これからますます重要になっていくと考えられます。
「自分は使うか?」ではなく、「購入先や販売先、取引先が使い始めたらどうするか?」といった視点も持っておいた方が良いでしょう。
会社概要
| 社名 | しるし株式会社(SHIRUSHI Inc.) |
| 設立 | 2017年9月1日 |
| 代表取締役 | 櫻田 学 |
| 資本金 | 1,718万円 |
| 事業内容 | ブロックチェーンに関する製品開発およびコンサルティング、データセンター運営、サーバーの研究・開発・運用・販売事業 |
| 所在地 | 本社:東京都立川市錦町2-3-3 オリンピック錦町ビル 富山支店(データセンター):富山県富山市内 |
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